― オンプレミス/RDP運用からSaaSへの移行をどう判断すべきか ―

不動産業界では今なお、オンプレミス環境やRDP(リモートデスクトップ)を前提とした基幹システムが稼働している企業も少なくありません。
これらの仕組みは、長年の業務に耐えてきた一方で、セキュリティ・可用性・人材・ガバナンスといった観点では、経営リスクを内包した状態になりつつあります。
本チェックリストは、「ITの是非」ではなく経営判断として、今の基幹システムをどう評価すべきかを整理するためのものです。
①業務停止リスクを経営として把握できているか
- サーバ障害・ランサムウェア感染時に業務停止が何日発生し得るかを把握しているか
- 家賃入金・送金・契約更新が止まった場合の資金繰り・信用への影響を試算しているか
- 「復旧できる」ではなく「いつ、どの業務が再開できるか」 を説明できるか
▶︎オンプレ/RDPの課題
復旧は担当者依存になりがちで、経営として停止期間をコントロールできない。
▶︎SaaS(いい生活)の視点
可用性を前提に設計された基幹SaaSでは、業務停止が例外事象として扱われる。
②セキュリティ対策が「属人化」していないか
- セキュリティ設定・運用を特定の担当者しか理解していない状態ではないか
- その担当者が退職・不在になった場合、即座に代替できる体制があるか
- RDPのアカウント管理・ログ監査は経営として説明可能な水準か
▶︎オンプレ/RDPの課題
「分かる人しか分からない」状態は、そのまま経営リスクになる。
▶︎SaaS(いい生活)の視点
権限管理・ログ・監査が仕組みとして標準化されている。
③個人情報・契約情報の管理責任を果たせるか
- 誰が・いつ・どの情報にアクセスしたかを第三者に説明できるか
- 情報漏洩時、原因・影響範囲・再発防止策を即座に示せるか
- 管理会社・オーナー・入居者に対し、説明責任を果たせる体制があるか
▶︎オンプレ/RDPの課題
ログ不足・管理粒度の粗さが説明責任のボトルネックになる。
▶︎SaaS(いい生活)の視点
監査・説明を前提とした基幹データ管理設計。
④ITコストを「投資」として説明できているか
- サーバ更新・保守費用が毎年どれだけ発生しているか把握しているか
- 障害対応・夜間対応・属人対応に見えない人件費がかかっていないか
- そのコストは事業成長に寄与しているか
▶︎オンプレ/RDPの課題
維持のためのコストが、価値を生まない支出になりやすい。
▶︎SaaS(いい生活)の視点
基幹機能・セキュリティ・可用性をまとめて外部化し、経営は事業に集中できる。
⑤災害・有事への備えが現実的か
- 地震・停電・感染症などの有事に即座に業務を継続できるか
- 拠点・設備に依存しない働き方が制度ではなく実装されているか
- BCP(事業継続計画)が机上の空論になっていないか
▶︎オンプレ/RDPの課題
物理拠点・設備依存が残りやすい。
▶︎SaaS(いい生活)の視点
クラウド前提のため場所に依存しない業務継続が可能。
⑥監査・ガバナンス要求に耐えられるか

- 金融機関・投資家・親会社からのシステム監査要求に対応できるか
- ISMS等の形式だけでなく、実運用を説明できるか
- 将来的なIPO・M&Aを見据えた際、足かせにならないか
▶︎オンプレ/RDPの課題
説明コストが高く、属人的な回答になりがち。
▶︎SaaS(いい生活)の視点
エンタープライズ利用を前提としたガバナンス設計。
⑦5年後・10年後も使い続けられるか
- 現在のシステムは次世代人材が引き継げるか
- ベンダー・技術が今後も継続する前提で語れるか
- 「今動いている」以外の理由で選び続ける根拠があるか
▶︎オンプレ/RDPの課題
レガシー化は時間とともに加速する。
▶︎SaaS(いい生活)の視点
長期利用を前提に進化する基幹SaaSモデル。
経営判断としての結論
オンプレミスやRDPを使った基幹システムは、「今すぐ使えなくなる」わけではありません。しかし経営視点では、
- リスクが見えにくい
- 責任の所在が曖昧
- 将来の選択肢を狭める
という特徴を持ちます。一方、いい生活の不動産SaaSは、単なる業務効率化ではなく、
- 業務継続性
- セキュリティ成熟度
- ガバナンス対応力
を含めた 経営基盤の外部化 という選択肢です。
不動産SaaSへの切替は、IT刷新ではなく経営リスクを整理し、未来への自由度を確保する判断と言えるでしょう。